残業多いし、人間関係も辛いから保育士を辞めたいです。
このように労働環境や人間関係に悩む保育士は多いです。 不満がたまると「もう無理!辞めたい!」と、気持ちが抑えられなくなってきますよね。
しかし、そんなときこそ一度立ち止まって冷静に考えてみることが大切。
なぜなら、辞めたい気持ちに丁寧に向き合うことで、気づけなかった解決策に出会えたり、自分にあった仕事を見つけるチャンスに繋がったりするからです。
そこで今回は、保育士を辞めたくなる理由とその解決策を解説しつつ、辞めたいと思ったら取るべき行動を示していきたいと思います。
自分の気持ちとしっかり向き合い、自分が納得のいく選択をしていきましょう!
- 保育士の離職率
- 保育士を辞めたくなる理由とその解決策
- 保育士を辞めたいと思ったらすべきこと
- 保育士を辞めるとき注意点
- 退職後の仕事の選択肢
保育士を辞めたい人はどれくらい?離職率の実態
まずは、保育士を辞めようと決意し、実際に離職した人の割合をみていきましょう。
平成28年および平成29年の厚生労働省、社会福祉施設等調査によると、保育士の離職率は全体で9.3%でした。
また、厚生労働省平成 30 年雇用動向調査結果の概況によると、日本全体の常用雇用者の離職率は14.6%ですので、保育士の離職率は全体の平均以下であることがわかります。
「保育士の離職率は高い」とよく言われるわりには、結果をみてみるとそんなに高いわけではありません。
じゃあ、保育士を辞めたいって声はどうして多いの?
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それは色んな事情で辞めたくても辞められない人が多いからでしょう。
保育士の仕事や職場の環境に不満やストレスを抱えながらも、働き続けているという保育士の割合はとても高いと思います。
「辞めると他の人に迷惑がかかる」「辞めたら子どもや保護者を裏切る気持ちになる」このような考えから、今の職場を辞められない保育士さんは多いでしょう、、
保育士を辞めたくなる5つの理由とその解決策
ここからは、保育士を辞めたくなる主な理由を5つ取り上げ解説していきます。
それぞれの解決策も合わせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 給料が低い
- 仕事量が多い
- 残業が頻繁にある
- 人間関係が疲れる
- 保育士が向いていないと感じる
①給料が低い
厚生労働省、令和元年の賃金構造基本統計によると、保育士の平均月収は24万4500円。
ここから所得税や健康保険料、厚生年金などが引かれるので、手取りはおよそ20万円前後になります。
役職がついていなかったり、手当が薄い保育園だったりすると、手取りの給料が15万円以下になってしまう保育士も中にはいるでしょう。
保育士は激務なうえ、子どもの命を預かる責任の重い仕事。
仕事内容と給料が見合っていないことに不満を感じ、保育士を辞めたくなる人は少なくないはずです。
しかし今、国が保育士の処遇改善に動き出し、保育士の給料が上がってきているという嬉しい傾向もあります。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、保育士の平均年収は、過去3年で32万3,700円もアップ!
とはいっても、日本全体の平均年収と比べると、保育士の年収はまだまだ低い水準にあります。
今後さらなる処遇改善に期待し、保育士の給料の底上げを願いたいですね。
今の職場で給料をあげたい人は、次の3つの方法がおすすめ。
- 経験を積んで、主任や園長に昇格する
- キャリアアップ制度を活用する
- 現場で活かせる資格を取得する
①経験を積んで、主任や園長に昇格する
主任や園長に昇格すると、役職手当がついて大幅な給料UPが目指せます。
しかし役職の枠は少なく、ある程度の経験年数も必要。良いタイミングがきたら挑戦してみるといいでしょう。
②キャリアアップ制度を活用する
キャリアップ制度とは政府が始めた、保育士の処遇改善の取り組みのひとつ。
キャリアアップ研修に参加し、一定の条件をクリアすると新たな役職がつき、5千円〜4万円の給料が加算されます。
この制度の導入により、若手の保育士からでもキャリアップが目指せるようになりました。
③現場で活かせる資格を取得する
保育に関する資格を取得すると、特別手当がもらえる園もあります。
おすすめの資格は、幼稚園教諭免許・絵本専門士・リトミック指導員・こども環境管理士。
特別手当がつくかどうかは園によって異なるので、取得前に必ず確認するようにしてください。
大前提の話として、保育士の給料があがらない原因を知っておくことは大切。
保育士の給料の財源は、国の補助金と保護者からの保育料です。
特に、国の補助金である公定価格の設定の低さが保育士の低賃金の大元になっています。
給料が低いカラクリをよく理解したうえで、自分にできる給料UPの方法を選んでいくようにしましょう!
意外と、絵本やエプロンを自腹で購入していることも保育士の不満ポイント。
低い給料のうえ、出費が多いのはつらいですよね。
②仕事量が多い
保育士の仕事は、「子どもと遊ぶ仕事」と一般的に軽くみられがちですが、実際は全然違いますよね。
メインの仕事は子どもと一緒に過ごすことで間違いはないですが、子どもの命を守りながら成長を促す働きかけや心のケアなどを行う必要があるため、大きな責任感をともないます。
子どもと関わる以外にも、保育士は書類作成や行事・制作物の準備、掃除や消毒などやるべきことがいっぱい。
メインの保育でも忙しいのに、その他の仕事も同時進行で行うのは厳しいものがありますよね。
特に大変なのは事務作業。書類の数は、12種類以上もあり、保育士の書類の多さはよく問題になるほどです。
はっきり言って、労働時間内に片付けられる仕事量ではないでしょう。
中には休憩時間なしの保育園や自主的に休憩時間を削っている保育士も存在し、大事な時間を使って作業をしている人も。
これは仕事量の多さとも深く結びつき、そうせざるを得ない状況を作っているとも言えます。
仕事量が多すぎて困っている人は、以下の対策を試してみてください。
- 仕事の簡略化を図る
- 一人で仕事を抱え込まないようにする
- 事務時間を作ってもらえるよう上司に相談する
①仕事の簡略化を図る
削れる仕事はどんどん削っていきましょう。
例えば、壁面や行事で使う小道具など、使い回せるものは使い回していくのがオススメ。
1から作る作業を減らしていくと、負担を減らすことができます。
また、書類作成に時間がかかる人は、例文などが載った参考書を活用して作業時間の短縮を心がけていきましょう。
②一人で仕事を抱え込まないようにする
自分が受け持っている仕事で、分散できるものはないか確認してみましょう!
例えば、担当行事の仕事。
自分が担当になったからって、小道具やプレゼント作り、配布物の準備など全部ひとりでやる必要はありません。
自分が司令塔になって、他の人にうまく仕事を振っていくのがベストです。
行事以外にも、子どもの作品の仕上げを全部自分でやるのではなく、手が空いている人に声をかけ手伝ってもらうようにしましょう。
③事務時間を作ってもらえるよう上司に相談する
勇気がいることですが、事務時間を作ってもらうよう上司にお願いすることも対策のひとつ。
すべての仕事を勤務時間内で終わらせるためには、事務仕事をする時間の確保が絶対に必要です。
今の状況を上司に真剣に相談して、事務作業ができる体制を組んでもらえないか頼んでみましょう。
とはいっても、上司にはいろんな人がいます。
冷たくあしらわれたり、嫌味を言われたりする可能性もあるのでそのことは念頭に置いておきましょう。
保育士の仕事量は、工夫に工夫を重ねなければ、勤務時間内に終わらせることは難しいでしょう!
そのため、日頃から仕事の負担を減らす方法を模索していくことが大切です。
③残業が頻繁にある
厚生労働省の平成30年度賃金構造基本統計調査によると、保育士の1日の平均残業時間は12分です。
多くの保育士がこの結果に首を傾げることでしょう。
平成30年度東京都福祉保健局の調査で、保育士の退職理由の上位に「労働時間の長さ」があることからも、実際の残業時間はもっと多いことが予測できます。
一方で、保育士や幼稚園教諭の人材紹介を行っているトライトキャリア(前ウェルクス)の調査によると、持ち帰り仕事をしている保育士の割合は83.3%。
その中でも毎日持ち帰り仕事をしている保育士の割合は32.8%で、保育士の3人に1人が家で毎日仕事をしている状況です。
持ち帰り仕事ももちろん残業の対象のため、不満を抱える保育士は多いでしょう。
ここで問題なのは、残業代が支払われないということ。
保育士は残業するのが当たり前という風習から、残業を申告できない空気があります。
また上司も人件費の削減などを理由に、保育士の残業を黙認していることも。
これは給与の未払いに該当し、違法の可能性があります。
ここでは残業を減らすコツ4つ紹介します。
- タスクを書き出し、期限に余裕をもって取り組む
- 仕事の簡略化を目指して仕事の負担を減らす
- ひとりで仕事を抱え込まないようにする
- 残業することになったら○時までと時間を決める
①タスクを書き出し、期限に余裕をもって取り組む
保育士は常に複数の仕事を抱えていて、締め切りに追われやすいです。
期限に余裕を持って取り組むためには、手帳などにタスクを書き出すことが効果的。
可視化することで、優先順位をつけながら、見通しを持って作業することができます。
期限は早めに設定することがおすすめ!
早め早めに取り組むことで思わぬトラブルに対処しやすいです。
②仕事の簡略化を目指して仕事の負担を減らす
仕事量が多い場合の対処法と同じですが、省ける仕事を探して負担を減らしていきましょう。
行事の装飾品や発表会の小道具など使い回せるものを丁寧に保管しておくと、作り物の負担を大きくカットできますよ。
③ひとりで仕事を抱え込まないようにする
これも仕事量の多い場合の対象法で紹介したものと同じですが、ひとりで全部の仕事をやろうとせず、分散できるものはうまく振り分けていきましょう!
例えば、行事担当になったとき。
全部の準備をしなくちゃ!と思い込んでしまう人もいますが、それだと負担がかかりすぎてしまいます。
やっておいてほしいこと、手伝ってほしいことを積極的に発信して、自分ひとりで仕事を抱え込まないようにしましょう。
④残業することになったら○時までと時間を決める
残業は自分のペースで作業ができるため、気持ちがダラけてしまいがち。
また他に残業している人がいると、おしゃべりが始まってついつい残業が伸びていくことも。
これらを改善しないと、残業が日常化してしまう可能性があります。
したがって、残業するときは、30分だけ、1時間だけと時間を決めて取り組むようにしましょう。
残業、持ち帰り仕事の実態や解決策の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
④人間関係が疲れる
令和元年の東京都保育士実態調査報告書には、過去に保育士として就業した人の退職理由がまとめられていて、その1位が「職場の人間関係」となっています。
保育士は複数担任で運営することが多く、組む相手との相性はとても重要。
保育観や波長が合わない人と一緒になると、ストレスを感じやすいです。
しかし、相手への不満を抑圧しながら働く人も多いでしょう。
その理由の一つとして、保育園が閉鎖された環境であるため、人間関係がこじらせると厄介ってことがあると思います。
また保育士の大半が女性ということもあり、派閥争いや陰湿ないじめなど、女性ならではの人間関係が生じやすいです。
これは精神的にかなり辛く、仕事を辞めたくなるのは当然のことでしょう。
職場で良好な人間関係を作るためのコツを紹介します。
- 相手の怒りの感情は流し、内容だけを受け止める
- 職場の人と無理して仲良くなろうとしない
- 立場が上の人に相談する
①相手の怒りの感情は流し、内容だけを受け止める
理不尽に怒ったり、言いがかりをつけたりしてくる先輩保育士に悩む人は多いです。
そんなときは、相手の感情と言っていることを切り離してみましょう。
怒りを処理するのは相手の課題です。他人が相手の感情をコントロールできるものではありません。
したがって、相手の怒りはスルーして言われている内容だけを受け止めるようにしましょう。
言われている内容に対して、自分に当てはまるものがあれば、そこは素直に応じることが大切です。
②職場の人と無理して仲良くなろうとしない
職場で友だちのような深い関係を求めると、人間関係のトラブルに巻き込まれやすいです。
例えば、派閥争い。職場は誰につくとか、誰のグループに入るとかは必要ありません。
仕事は、自分に与えられた仕事をこなす場所。
仕事とプライベートの境界線をしっかり作らないと、仕事は円滑に回せないでしょう。
下手に仲良くなると、仕事を押し付けられたり、仕事の愚痴ばかりを聞かされたりする可能性があるので、断り下手な人は特に要注意です。
③立場が上の人に相談する
人間関係の悩みを、上の立場の人に相談することも方法のひとつです。
例えば、いじめに該当するような対応をされている場合。
自分の力で解決することが難しい状況なら、上司に相談してみましょう。
とはいえ、相談ってしづらいですよね。
しかしひとりで悩みを抱え込む必要はありません。
人間関係の管理は上司の仕事なので、遠慮せずに相談していいのです。
保育園の中で一番立場が上の園長がパワハラ気質、ワンマンタイプで悩むケースも。
対策としては1つ目にあげた「相手の怒りの感情は流し、内容だけを受け止める」が効果的です!
⑤保育士が向いていないと感じる
保育士が「自分ってこの仕事向いてないかも」と思うきっかけ3つを以下にまとめました。
- ピアノが弾けない
- 子どもにイライラしてしまう
- マルチタスクや大人数の中での仕事が苦手
①ピアノが弾けない
保育士はピアノが弾けて当たり前という風習があります。
そのためピアノが弾けない保育士は、肩身が狭くなることがしばしば。
ピアノは子どもの成長に関係しているものとわかっているからこそ、弾けない自分に劣等感を感じる人も少なくありません。
ピアノの上達にはそれなりの練習量が必要ですが、仕事をしていると時間的にも体力的にも練習することが難しいのが現状。
ピアノ上達の壁が高いことも、保育士のやる気を削ぐ原因のひとつでしょう。
【解決策】
- 頑張って練習を続けてみる
- ピアノが弾けない保育士に理解のある園へ転職する
- ピアノが不要な職場に転職する
解決策の詳細を知りたい方は「ピアノが弾けないから保育士を辞めたい…。演奏下手な元保育士が対処法を解説」の記事をご覧ください。
②子どもにイライラしてしまう
子どもの言動にイライラしたり、大きな声でつい怒ったりしてしまうと、保育士として失格だと自分を責めてしまう人は少なくありません。
子どもが好きという理由で保育士になった人ならば、子どもへ憎しみの気持ちをもつことは辛いことだと思います。
また、子どもの試し行動に困惑する人も多いでしょう。
子どもはさまざまな形で愛情を求め、大人の怒りを誘うような行動をあえてとります。
「試し行動が信頼関係の構築の過程だとはわかっていながらも、イライラしてしまう」というループにはまると、保育士としての自信をなくしてしまう人もいるでしょう。
【解決策】
解決策① イライラの感情を認める
イライラしている自分を責めたくなるのは、「イライラするのは子どもに失礼だ」「イライラしてしまうのは自分のキャパが小さいからだ」など、保育士としての責任感からもきています。
子どもにイライラをぶつけてはいけないという前提が自分の中にあるのでしょう。
しかし保育士だって人間なので、イライラするのは当たり前です。
自然な感情を抑圧したり、否定したりするのは誰でも苦しいもの。
感情をそのまま認めることで、気持ちに少しゆとりができるでしょう。
解決策② 環境を見直す
人は心に余裕がないと、イライラしやすいです。
保育士は仕事量が多く、労働時間も長い職業のため、忙しさに心の余裕がなくなってしまう人は少なくありません。
そこでイライラの原因が、環境から来ていないか考えてみることも大切です。
仕事量や残業によりイライラしやすくなっている場合は、仕事の簡略化や残業を減らす取り組みをするなどして、環境を改善していきましょう。
③マルチタスクや大人数の中での仕事が苦手
「複数の仕事をうまく回せない」「人前だとおどおどして力が発揮できない」というような悩みを抱えている人も、自分は保育士に向いていないんじゃないか?と考えてしまいやすい傾向があります。
保育士はいくつかの仕事を並行して進めていかなくてはいけませんし、保育園という閉鎖的な環境の中でスタッフとの人間関係を築いていかなくてはいけません。
マルチタスクや大人数の中での仕事が苦手な人にとっては、保育園の環境が苦手に感じるでしょう。
【解決策】
解決策① シングルタスクを心がける
複数の仕事を抱えて、手いっぱいになりやすい人は、シングルタスクになるように仕事を調整しましょう。
あれにもこれにも少しずつ手をつけるのではなく、優先順位の高い仕事から1つずつ片付けていく意識をもつことが大切です。
解決策② 人前の緊張感を受け入れ、やるべきことをやる
人前で緊張することや、本来の力が発揮できないことは誰にでもあること。
「緊張してはいけない」「人前では堂々としていなくてはいけない」などと、緊張感を無理やり抑圧すると返って苦しくなります。
自分は「人前が苦手なんだな」「大人数の中で仕事をすることが不得意なんだな」と受け入れながら、仕事に取り組むと良いでしょう。
保育士を辞めたいと思ったらすべきこと2つ
保育士を辞めたいと思ったら、以下2つのことをよく考えてみましょう。
悔いのない選択をするためにも、ここをしっかりチェックしていくようにしてください。
- 状況を整理する。辞めたいのは保育士か、それとも職場か。
- 辞めることで生じるデメリットを考える
状況を整理する。辞めたいのは保育士?それとも職場?
まずは気持ちを整理しましょう。
あなたが辞めたいのは、保育士そのものでしょうか。
それとも労働環境の悪い職場でしょうか。
混同している気持ちを整理すると、今後の道を選びやすくなりますよ。
ブラック保育園といわれるような職場で働いていると、心身ともに疲れてしまい、「自分は保育士向いてないや」と保育士そのものを嫌になってしまうことがあります。
しかし職場を変えることで解決する悩みであれば、保育士を辞めてしまうのは非常にもったいないこと。
辞めたい気持ちを整理して、後悔のない選択をしていきましょう。
以下に、辞めたい理由を洗い出してみました。理由ごとに、保育士を辞めたいのか、職場を辞めたいのかを分けているので参考にしてみてください。
【保育士自体を辞めたい場合】
- 子どもが可愛いと思えない
- 仕事量が多くて処理するのが難しい
- 給料が低すぎる
- 保育士の仕事が楽しくない
- 他にやりたい仕事がある など
【今の職場を辞めたい場合】
- 苦手な人がいる
- いじめられている
- 残業が多い
- 園長の言動についていけない
- 保育方針が全く合わない
- 保育士の数が少なくて負担が大きい
- 苦手なピアノを弾く機会が多すぎる
- 他の園と比べて明らかに給料が低い など
保育士が嫌なら、異業種の仕事。職場が嫌なら、別の保育園への転職が好ましいでしょう。
後ほど、転職先について詳しく説明しますね。
辞めることで生じるデメリットを考える
仕事を辞めることで生じるデメリットはしっかり理解しておきましょう。
どの仕事もそうですが、辞めることのリスクはゼロではありません。
考えられるデメリットを以下にまとめました。
- その園で積み上げてきたキャリアがなくなる
- その園での昇格・昇給のチャンスを逃す
- 転職回数が多い場合、次の採用でチェックが厳しくなる可能性がある
- 次の就職先が見つからない場合、生活が苦しくなる
退職は、キャリアアップや昇給に影響してきます。
今まで培ってきたものを手放しても大丈夫かどうかを、もう一度よく考えるようにしましょう。
でも、一番大切なのはお金よりも自分の体!
精神的につらい状況だったら自分の幸せを第一優先にして考えていきましょう。
保育士を辞めるときの2つの注意点
ここでは仕事を辞めるときの2つの注意点を紹介します。
- 適切な退職時期を考える(年度途中に辞めるのはアリかナシか)
- 残りの有給を使う
注意点① 適切な退職時期を考える。年度途中に辞めるのはアリ?ナシ?
退職時期は、年度末が良いでしょう。
年度途中の退職は極力避けたほうが良いです。
なぜなら、保育士は担任制度があり、途中で退職をしてしまうと子どもや保護者、同僚に不安や負担を与えてしまうからです。
また年度途中の退職は、次の就職に影響してしまう可能性もあります。
職歴を見て、「この人は簡単に辞めてしまう人なのかな?」と心配してしまう採用担当者も中にはいるからです。
そんなこと知ってるけど、もうつらくて耐えられない。年度末まで頑張れなさそうな時はどうしたらいいの?
中には、このような状況にいる方もいるはずです。
メンタル面・体調面が優れない場合は、もちろん自分の健康を第一に考えていきましょう。
体を壊すくらい無理して働くより、途中で退職し体を休める方が先です。
注意点② 残りの有給を使う
有給は労働者に与えられた大事な権利です。
なので、残った有給を確認し、計画的に消化していくようにしましょう。
しかし保育士は有給が取りにくいとも言われており、自由に有給を使えない保育士は実際少なくありません。
その理由として、「忙しくて有給を確保できない」「他の人が取っていないから取りにくい」などがあげられます。
とはいえ、職場の空気に合わせて有給を失うのはとてももったいないこと。
辞めると決めたら、早めに有給を使っていきましょう。
退職の承諾を園長からもらった時に、「○日分の有給が残っているので、この日から使いたいです」と相談してみるのもひとつの方法です。
保育士を辞めた後の仕事・・【転職先の選択肢を紹介】
今の職場を辞めたら、次の仕事はどうしよう?と考えている方に向けて、転職先の選択肢を紹介します。
- 別の保育園に転職する
- 保育士資格を活かした仕事に転職する
- 異業種に転職する
順番に解説していくので、自分にあった仕事選びの参考にしてくださいね。
別の保育園に転職する
選択肢の一つ目は、別の保育園で保育士として働くことです。
特に「保育士という仕事にやりがいを感じている」「職場の環境はつらいけど、子どもと関わるのは楽しい」という人は、この道を真剣に考えてみてもいいと思います。
なぜなら、辞める理由が労働環境や人間関係の不満である場合、働く環境を変えるだけで悩みが改善する可能性があるからです。
条件の良い求人は増えているので、自分がのびのびと働けるような保育園を探してみましょう。
一般的な保育園だけでなく、「小規模保育園」「病院内保育園」「企業内保育園」など、保育園にも様々な形があります。
園や施設によって、特色や労働条件も異なるので、ぜひ検討してみてください。
もう一度保育園に転職するなら、転職エージェントを利用するのがオススメです!
事前情報や知りたいことなどを丁寧に教えてくれるので、転職の不安が軽減するでしょう。
保育士資格を活かした保育園以外のところに転職する
保育園以外で、保育士の資格を活かした仕事を以下にまとめました。
「保育園からは離れたい。でも、子どもと関わる仕事は続けたい」という方におすすめの転職先です。
- ベビーシッター
- 学童保育
- 託児所
- 児童養護施設
- 保育ママ
- 子育て支援センター など
このような子どもと関わる仕事では、保育士資格やこれまでのあなたの保育経験がきっと重宝されるでしょう。
せっかく頑張って取得した資格です。視野を広げて、資格を活かせる仕事への転職を検討してみてはいかがでしょうか。
就職先によっては、資格手当がつくところもあります。
資格が活きて、給料アップを目指せるのは嬉しいですよね。
異業種に転職する
異業種の仕事にチャレンジするのも、一つの選択肢です。
人生は一度きりなので、気になる仕事があったら思いきって挑戦するのも良いでしょう。
保育士としての経験は、異業種でも活かすことができます。
保育士の強みを以下にまとめてみました。
それぞれの能力にあった適職も合わせて紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
- 【責任感】 どの仕事にも必要!
- 子どもの命を守る仕事をしてきた
- 【観察力】どの仕事にも活かせる!
- 子どもの小さな成長または危険な行動にいち早く気付いてきた
- 【事務作業能力】 事務職◎
- 書類やおたよりなどの事務作業をこなしてきた
- 【コミュニケーション能力】営業職やサービス業◎
- 保護者や同僚と信頼関係を構築してきた
- 【発想力・企画力】マーケティングの仕事◎
- 製作の案や行事の内容を考えてきた
- 【芸術性】 物作りの仕事◎
- 出し物や装飾で子どもたちが喜ぶものを作ってきた
未経験の仕事ははじめは大変だと思いますが、視野が広がり楽しい発見もあるでしょう!
まとめ:保育士を辞めたい気持ちとしっかり向き合って、自分の人生を楽しく生きよう
というわけで今回は、保育士を辞めたいと思う原因やその後の対策などについて解説してきました。
辞めたいという気持ちを抱えたまま働くのは、体力的にも精神的にも負担がかかります。
できるだけ早く、辞めたいという気持ちと向き合って対処していくほうが良いでしょう。
仕事だけの人生ではありません。
ストレスとなっているものをできるだけ省いて、余力が残る程度に仕事を頑張っていくのが理想です。
余力ができたら楽しいこと、ワクワクするようなことを始めてみたり、落ち着く時間を過ごしたりするなどして自分の時間を有効に使って楽しんでいきましょう!