同じクラスの先生と保育観が合わなくて大変なんです。
このように悩む保育士は結構多いです。
そもそも「保育観って?」と疑問に思う方もいるかもしれないので、先に保育観の説明をしますね。
保育観とは「自分が大切にしている保育の価値観」のこと。
つまり、「保育をしていくうえで自分が大切にしていることは何か?」と聞かれたときに、出てくる答えが自分にとっての保育観です。
保育観は、「子ども観」と呼ばれることもあります。
この保育観が担任間、または園全体で違うことで、保育にやりづらさを感じてストレスや不満を感じる人もいるでしょう。
そこで今回は、保育観の違いによる悩みを解消できるような記事を書きました。
この記事を書く私は保育士歴8年の元保育士。
さまざまなタイプの保育士と一緒に働いていく中で、保育観の違う人とのうまい向き合い方を身につけてきました。
この記事の「保育観が違うときの対処法」を実践すれば、保育観の違いによるストレスが解消できますよ。
実際に私も、ここにある対処法を実践して、自分の保育観を大切にしながらさまざまな保育士と一緒に働くことができました。
相手と保育観を共有するテクニックを身につけると、視野が広がって保育をさらに楽しめるようになると思うので、ぜひ参考にしてみてください。
- なぜ人それぞれ保育観が違うのか
- 保育観の違いで悩む原因
- 保育観の違いを感じたときの対処法
保育観はなぜ人によって違うのか
そもそもの話として、保育観が人によって違うのはなぜでしょう。
結論から言いますと、保育観は育ってきた環境や経験、交流のあった人によって培われていくから。
つまり、保育観は自分の人生経験がベースになっていて、10人いたら10通りの保育観が存在します。
なので、似た保育観を持った人が現れたとしても、100%一緒ってことはないはずです。
どこかで少し意見の食い違いは出てくるでしょう。
まずは、ここをしっかり理解しておくことが大切!
お互いの保育観を尊重する基盤となり、この認識が対処法でも大活躍するのでよく覚えておきましょう。
保育士は人間関係がめんどくさいと言われています。
その原因の一つとしては保育観の違う人が集まっている環境にあるでしょう!
保育観の違いに悩む理由
保育観が違うと、人はなぜ悩み苦しむのでしょうか。
ここから、私の見解を少し絡めて解説していきますね。
そもそも、保育観の違いを大きく分けると「子ども中心の保育」か「大人中心の保育」の2つ。
保育観の違いに悩みを感じるのは、大抵が「大人中心の保育」を目の当たりにしたときでしょう。
「これは本当に子どものためになっているのだろうか?」
「この保育で子どもは幸せだろうか?」
このような葛藤に、悩んでいる人が多い印象です。
特に、人間関係に悩みやすい新人保育士は、自分の意見を抑圧することも多いので、自分の保育観に蓋をして苦しむ人は多いでしょう。
そもそも「子ども中心の保育」「大人中心の保育」ってなに?
と疑問に感じた方もいると思うので、簡単に説明しますね。
ここで言う「子ども中心の保育」とは、子どものことを第一に考えた以下のような保育を指します。
- 子どもの命を守る
- 子どもの人権を尊重する
- 子どもの自主性、主体性を大切にした保育
子どもの命を守ることは大前提すぎる話ですが、2番目と3番目に関しては、保育士によって対応に違いがあります。
一方「大人中心の保育」は、以下の通り。
- 大人が子どもの人権を尊重していない
- 大人にとって都合の良い保育
さらに「大人中心の保育の例」をあげると
- 「とろい」「わがまま」「泣き虫」など、人格を否定する言葉を使う
- 泣かせた子が悪いと決めつけ、「ごめんなさい」と無理やり言わせる
- 子どもが〇〇したいと言っても、時間や都合により強制終了させる
- トイレや着替えを泣いてでも無理やりさせる
少し説明が長くなりましたが、以上が「子ども中心の保育」「大人中心の保育」の内容でした。
繰り返しになりますが、保育観の違いによる悩みは、「大人中心の保育」を目の当たりにしたとき感じるものです。
要するに、大半の悩みが「子ども中心の保育」を大切にしたい保育士のもの。
なら、みんな「子ども中心の保育」をすれば問題解決なんじゃないの?
と思うかも方も中にはいらっしゃるでしょう。
しかし、前項で説明したとおり、保育観は人それぞれ異なるので簡単に一致させるのは現実難しいです。
保育観の違いを感じたら?対処法3つ
では、保育観の違いを感じたらどうすればいいのでしょうか。
ここで紹介する対処法は以下の3つです。
- 相手の保育観に歩み寄ってみる
- 話し合いをする
- 保育観の合う保育園に転職する
順番に解説しますね。
①相手の保育観に歩み寄ってみる
たとえ保育観が合わなかったとしても、息を合わせる努力はお互い必要です。
そのためには、相手のことを受け入れる姿勢は必須。
なので、まずは自分から相手の保育観に歩み寄ってみましょう。
視点を変えてみることで、相手の良いところが見えてくるかもしれません。
また、その人なりの努力や工夫に気づくかもしれません。
そこから、新たな保育観を発見する可能性だってあります。
否定的な気持ちから入ると、どうしても相手の欠点ばかりに目が向きがち。
不満がつのっていき、自分自身を苦しめていくことになるでしょう。
なので、まずは歩み寄っていく気持ちを大切にしてみてください。
相手を受け入れるスタンスに切り替えるだけでも、心が少し軽くなるはずですよ。
②話し合いをする
話し合いをして、保育観をすり合わせていく作業は大切です。
保育観がバラバラだと、子どもの対応や声かけが保育士によって異なり、子どもたちが混乱してしまいます。
相手に歩み寄ることの大切さは先ほどお伝えしました。
話し合いの場でも、相手の意見を尊重することを心がけるようにしましょう。
私もこの点はとても大切にしていました。
まずは相手の意見を聞く。それから自分の意見を伝えるということを意識してました。
一方的な主張は、相手の心を閉じてしまう原因になるので要注意です!
どんなに保育観が違うと感じても、「子どものため」という共通点は必ずあるはずです。
「子どものため」という共通認識があれば、真剣な話し合いができるでしょう。
譲れないもの、どうしてもやってみたい取り組みなどがあれば、そこでしっかり伝えるようにしてください。
自分の納得のいく話し合いになれば、妥協点が出てくる場合があります。
納得できる妥協であれば、苦しむこともないでしょう。
「自分の保育観は絶対に譲れない!」と思っていた人にとって、その妥協点が自分の心を軽くしてくれるかもしれません。
相手があなたの意見を頭から否定したり、バカにしたりするような態度であれば俗にいう「性格の悪い保育士」かもしれません(笑)
そのような相手だと話し合いのタイミングを慎重に見極めていく必要があるでしょう。
③保育観の合う保育園に転職する
歩み寄りや話し合いをしたけど、状況が変わらないのであれば転職を検討してみるのも良いでしょう。
保育感というのは、その人の人生経験が関係しているので簡単に変えるというのは難しいもの。
なので、保育観のすり合わせることができないケースも中にはあります。
状況が変わらない場合、納得のいかない保育をし続けるまたは、み続けることになり本人は苦しいでしょう。
楽しめないまま、嫌なことを我慢したまま働くのは、時間的にもとてももったいないこと。
なので、思い切って自分の保育観に合う保育園に転職してみるのも現実的な手段の一つです。
私は、園の保育観が合わず転職した経験があります。
行事を優先する園で、行事ごとの練習量が私の予想を超えていました。
園長がOKを出すまでは、お昼ご飯はお預け状態。
園全体の保育観を変えるのは不可能だと思って転職をしました。
悩んで決めた転職ですが、転職後は気持ちがスッキリ!
もっと早く、転職しておけばよかった・・と思ったほどでした。
転職するなら、保育士転職に特化した転職サイトを利用するのを強くおすすめします!
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私は過去2回、転職サイトを利用しホワイト保育園に転職できた経験があります。
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まとめ:保育観の違いはあって当然。だからお互いの歩み寄りが大切。
というわけで今回は、保育観の違いについて色々と解説してきました。
違う意見を認めつつ、話し合いですり合わせていく作業は決して簡単なことではありません。
新人保育士や自分の意見を伝えるのが苦手という人にとっては、なおさら。
しかし、そんなときは「子どものため」というベースを思い出しましょう。
大切な、大事な、大好きな子どものためと思えば、それが勇気に変わるはずです。
そもそも、保育観の違いに悩むこと自体が、子どもを第一に考えている証。
なので、自分の保育観を大切にして、1歩前進してみましょう。
自分の理想の保育に近づくことができれば、保育の楽しさをより深く味わうことができますよ!