毎日、大量の書類に追われて残業ばっかりでつらいです。
保育士の書類を洗い出してみたところ、なんと12種類以上もありました。勤務時間内に終わらせたいと思っていても、保育士は子どもの保育が優先なため、書類を書く時間がうまく取れないですよね。
しかし参考書をうまく活用したり、周囲に働きかけたりすることで書類を書く負担を軽減させることができます。
この記事を書く私は、保育歴8年の元保育士。私も過去に、書類の多さに悲鳴をあげていました。
しかしここで紹介している「参考書を活用する」という対策をとったことで、書類を書くスピードがアップ!
さらに、私の場合は、書類を書く時間を作ってくれる園に転職したことで、かなり負担が減りました。
この記事では、書類に追い込まれる理由を紹介したうえで、書類を効率的に片付けていくための対策について解説していきます。効率的に書類を片付けていき、仕事に追い込まれない働き方を目指していきましょう!
- 保育士に書類仕事が多い理由
- 保育士が書類に追われてしまう原因
- 書類をうまく終わらせるためのコツ
保育士に書類仕事が多い理由
先に結論から言うと、保育士に書類仕事が多いのは、ほとんどのものが行政指定の必須書類だから。そのため、行政からの指示がない限りは、会社や上司の判断で書類の数を減らすことはできません。
保育士が書いている種類を、以下に書き出してみました。
- 年間計画
- 月案
- 週案
- 日案
- 保育日誌
- 児童表
- 発達記録
- 連絡帳
- おたより
- 行事の計画書
- 防災訓練記録
- その他(事故報告書・ヒヤリハット・午睡チェック表など)
※園によって書類の呼び方が異なるかもしれません。
可視化してみると、保育士が抱える書類の多さが改めてわかります。保育士のサービス残業や持ち帰り仕事がなくならないのは、この書類の多さも影響しているでしょう。
保育士は給料が低いうえに、仕事量が多い職業。仕事のモチベーションが下がるのは必然的とも言えますね。
保育士が書類に追われてしまう原因とは?
書類の種類を減らせないということは、わかりましたね。書類の多さ以外にも、保育士が書類に追われる原因はあります。
- 書類を書く時間がない
- やり直しが多く、提出に時間がかかる
- 手書きで時間がかかる
- 書類を作成するのがそもそも苦手
順番に解説していきますので、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
原因① 書類を書く時間がない
保育士が書類に追われる原因の1つめは、書類を書く時間がないということ。
メインの仕事は子どもの保育なので、勤務時間の大半は保育に当てられます。残った時間で書類の作成をしていくわけですが、保育士の書類の量は、その時間で片付けられるものではありません。
他にも、保護者対応、行事の準備、ピアノの練習、清掃など、保育士の仕事はたくさんあるので、保育士が書類作成に専念できる時間はとても少ないでしょう。そのため、休憩時間をカットして書類を書く保育士も少なくありません。
保育士は「書類が多い上に、書く時間もない」という厳しい状況に置かれていると言えます。残業をして書類を書く保育士の苦悩は、この悪循環な環境を改善しない限り、きっと解決しません。
保育士不足の園は、書類を書く時間の確保がより難しくなるでしょう。
人数が少ないとフリーの時間がほぼ作れないので、書類が後回しになりやすいです。
原因② やり直しが多く、提出に時間がかかる
書類のやり直しが多く、提出までに時間がかかることも保育士が書類に追われる原因のひとつ。
これは特に新人保育士に当てはまります。新人の頃は、先輩に書類の添削をしてもらうのが一般的ですよね。書き方が分からない新人保育士にとって、先輩の指導は書類作成の基礎を学ぶチャンスで、とてもありがたいもの。
しかし先輩の指導法はさまざまで、人によっては何度も何度もやり直しを求められることがあります。
「保育士は書類で苦労するもの」「わたしも昔は厳しく指導されてきた」このような考えや経験がある人は、自分の価値観を後輩に押し付けてしまうパターンは少なくありません。
過度なやり直しは、新人保育士の仕事を停滞させ、気持ち的にも追い込んでしまいます。
原因③ 手書きで時間がかかる
書類が手書きの場合も、保育士が書類に追われる原因のひとつ。パソコンで書類作成をする園が増えてきていますが、手書きで書類を書いている園もまだまだ多いでしょう。
わたしはずっと手書きで書類を作ってきたから、手書きのほうが早く書けると思う!
確かに、手書きに慣れている人は、手書きの方が書きやすいかもしれません。
しかし、ICTシステムの導入によりデジタルで書類管理が普及したいま、手書きとデジタルの両方を体験してみると、手書きのデメリットを感じる機会が増えるでしょう。
- 書き直しに手間がかかる
- 原稿をいちいちコピーするのが面倒
- 書類の管理が大変
- 書類をファイルにとじる作業に一苦労する
- 書類を見返したいとき、見つけだすのに時間がかかる
- 紛失のリスクがある
パソコンでのデジタルの作業だと、修正や管理の手間が一気に楽になります。
原因④ 文章を書くことが苦手
書類に追い込まれる原因の4つめは、文章を書くことが苦手ということです。文章を書くことが苦手な保育士にとっては、書類の一つひとつが億劫な作業に感じることでしょう。
「まとまらない」「いい言葉が思いつかない」「これでいいのか不安で仕方ない」など、書類を書いているとたくさんの困りごとが出てくると思います。
文章なんて、小学校のときから触れてるのに、スラスラ書けないなんて恥ずかしい。
と思うかもしれませんが、文章を書くことは、実は思っている以上に難しいテクニック。文章を書く訓練を受けてもいない保育士が、文章でつまづいたり、文章に苦手意識をもつことは全然おかしなことではないのです。
とはいえ、文章を書くことが苦手な人は、実際どうしたらいいの?
このような質問については、下の項目でしっかり解説しますので、ぜひチェックしてくださいね。
保育士が書類の多さとうまく向き合っていく3つのコツ
書類の多さは変えられない状況の中でも、保育士が書類の負担を和らげるコツがあります。
- 参考書やひな形を活用する
- 事務時間を確保できないか上司に相談する
- 書類がたまる前に相談する
順番に詳しく解説していくので、ぜひ取り組めそうなものから試してみてください。
① 参考書を活用する
文章を書くことが苦手、書くことに行き詰まったという人は、参考書を活用しながら書き進めていきましょう。
ここでいう参考書は指導案やおたよりなどの例文が載っている専門誌のことをさします。
参考書をひとつとっても、さまざまな言葉の言い回しを知ることができるでしょう。
とはいえ参考書の言葉を真似るのは、なんだか抵抗がある
このような考えをもつ方がいらっしゃるかもしれませんね。確かに、最初からそっくりそのまま写すやり方は、機械的な文章になるためオススメできません。
しかし「言いたいことがなんだかうまく表現できずに30分も経ってる」というような場合は、参考書を見てどんどん進めていきましょう。そこから文章を学べばいいのです。
そもそも行き詰まっているときは、それ以上考えてもいい案は浮かんでこないもの。そんなときは、潔く参考書をチェック!
参考書で、よい言い回しや今後も使えそうな文を見つけたら、メモを取るなどして、自分のものにしていきしょう。自分のものにしていくことで、文章のバリエーションが増え、書類を書く効率UPにつながりますよ。
② 書類を書く時間を確保してほしいと上司に相談する
書類を書く時間を確保できないかどうか上司に相談してみることも、ひとつのコツです。
保育士が書かなくてはいけない書類は、ちょっとの隙間時間でこなせるような量ではありません。子どもの保育から離れ、集中して書類を書く時間が必要です。
上司に相談をする際は、体制づくりに必要な情報をしっかりと伝えられるようにしておきましょう。
「時間を作ってください」とだけ伝えても上司は困っちゃうので、話をする準備はしっかりと整えておくのがベスト!
体制を組むのは上司ですが、上司は保育室にずっといるわけではないので、現場の状況を詳しく知りません。どの時間帯が大変で、どの時間帯になると落ち着くかなど、現場の状況は上司よりもあなたの方が知っているはずです。
例えば、
- 書類を書く時間を確保できそうな時間帯をいくつかピックアップしておく
- 保育士の動きで見直せるところを見つけ出し、できた時間を書類を書く時間に回せないか提案できるようにしておく
など、このような情報をもっておき、タイミングをみて伝えていきましょう。
そもそも上司によっては、「そんなの無理に決まってるでしょ!」と言って、門前払いされるかもしれません。それはまた上司に至らない点があるとして、別問題でとらえた方がいいでしょう。
③ 先輩やペアの担任に相談し、書類を抱えこまないようにする
コツの3つめは、書類を抱えこまないように相談することです。仕事をしていくうえで、自分の悩みを発信していくのも大切な行動。なので、書類がたまりそうで困ったときは、先輩やペア担任に1度、相談してみましょう。
よいアドバイスがもらえるかもしれませんし、もしかしたら同じ悩みを相手も抱えていて、一緒に解決策を考えるきっかけになるかもしれません。
相手だって忙しいのに、自分だけ助けを求めてもいいのかな?
と思うかもしれませんが、困ったときはお互いさまです。そこでもし助けてもらったら、他のところで力になればOK!
書類の得意・不得意はありますし、新人保育士とベテラン保育士でも書類を仕上げるスピードが違います。みんなが同じテンポで仕事をこなしていくことは不可能ですよね。だからこそ協力しあっていったほうが、仕事全体の効率は確実にあがっていくものです。
とはいえ、「自分が悪いんでしょ?」「自分の仕事なんだから自分でなんとかしなよ」などと、嫌味を言ってくる先輩も中にはいるでしょう。それは職場の人間関係に問題が生じている場合があるので、また別問題として扱った方がよさそうです。
余裕のある人が「あの書類終わってる?大丈夫?」と声をかけ、終わってない人も「あの書類がまだ残ってて、書く時間貰えますか?」などと、自然と言えるような保育園だといいですね。
まとめ:保育士は書類の多さからは逃げられないけど、行動することで負担は減らせます
というわけで今回は、保育士の書類の多さをテーマにしてお話してきました。
保育士の書類の量は、工夫をしなければうまく片付けられません。書類の効率をあげるには、個人と園全体、両方からのアプローチが大切になってくるので、自分にできることからはじめていきましょう。
書類にかけていた時間を短縮できれば、その分プライベートの時間がうまれます。時間ができたら、ぜひ自分の趣味や癒しのひと時などに当てて、自分の時間を楽しんでくださいね!