給料が低い保育士は一人暮らしできるの?
保育士の一人暮らは生活が苦しいの?
1人暮らしをするうえでもっとも大きな支出が家賃です。初めての一人暮らしを考えている人にとって、保育士の給料で家賃やその他の生活費がちゃんと支払えるのかどうかの金銭的不安は大きいはず。
結論から言うと、給料に見合った物件を借りて生活費を節約すれば保育士の一人暮らしは可能です。これから就職や転職をする人は、家賃補助が充実している地域や保育園を選択すると選べる物件の幅が広げられるでしょう。
実際に元保育士の私も東京都の家賃補助を活用し11万円のアパートを借りて生活することができました。(実際の部屋写真を記事後半に載せています!)
そこで今回は、保育士が一人暮らしを実現させる方法を詳しく解説します。一人暮らしに憧れをもっている人はぜひ最後までお読みください。
保育士が一人暮らしをするメリット・デメリット
まず、一人暮らしにはメリット・デメリットがあります。両面をよく知ったうえで、一人暮らしの準備を進めていきましょう。
メリット | デメリット |
①自分の時間がもてる | ①金銭的な負担がかかる |
②自立心が育つ | ②仕事と家事の両立が大変 |
③通勤時間を短縮できる |
メリットから順番に解説していきます。
メリット①自分の時間が持てる
1つ目のメリットは、誰にも干渉されず自分の時間がもてること。
一人暮らしの最大の醍醐味ともいえるでしょう。
例えば、こんな風に自分だけの時間を楽しめます↓
- 好きなテレビ番組が見られる
- 休日は好きな時間に起きてOK
- いつでも友だちを連れて来られる
- 自分のタイミングでご飯が食べられる
初めての一人暮らしならば、自分だけの時間に充実感を感じられるでしょう。
メリット②自立心が育つ
2つ目のメリットは、自立心が向上すること。
実家にいるとどこかで必ず甘えが出てしまうものですが、一人暮らしが始まったらそうはいきません。
【一人暮らしで育つ自立心】
- 精神的自立…できないことに直面したときに問題解決する力
- 金銭的自立…生活費をやりくりする力※仕送りなしの場合
- 生活的自立…料理や洗濯、掃除など家事をこなす力
一人暮らしをしていく中でさまざまな自立心が育っていき、自分の力で生きていくスキルが自然と身につきます。
メリット③通勤時間を短縮できる
3つ目のメリットは、通勤時間が短縮できること。
まず、通勤時間は短いに越したことはありません。
通勤時間が長いと早起きしなくてはいけなかったり、家に帰るのが遅くなったりとプライベートの時間が削られます。
一人暮らしなら住む場所を自由に選択できるので「職場から徒歩10分」「職場まで電車で2駅」といった条件を設定して物件を探せます。通勤時間を短くできればそのぶん自分の時間を有意義に過ごせるでしょう。
デメリット①金銭的な負担がかかる
続いて一人暮らしのデメリットですが、まずは金銭的な負担がかかること。
実家を離れたら交際費や洋服代などプライベートを楽しむお金はもちろん、食費・光熱費・通信費など生活に必要なお金も全て自分で支払わなくてはいけません。
うまくお金をやりくりできないと、金銭的に厳しい生活になる可能性も…。給料が低い保育士なら、なおさら困難な状況に陥りやすいでしょう。
デメリット②仕事と家事の両立が大変
2つ目のデメリットは、家事が大変なこと。
当然ですが、一人暮らしをするとすれば家事を行うのは全て自分です。
全自動家電や便利な掃除グッズを購入したり、食事は惣菜を買ったりして工夫をすれば家事の負担を下げられますが、全ての家事を回避できるわけではありません。
どんなに忙しくても、どんなに疲れていても家事をしなくてはいけないのは、一人暮らしをするうえで大変なポイントです。
保育士が一人暮らしをする場合の生活費例
ここからは保育士が一人で生活する場合の生活費例をみていきます。貯金の計画や一人暮らしの予算を立てるときに役立ててみてください。
以下は、総務省統計局が公表している家計調査報告をもとに作成した、単身者1ヵ月間あたりの支出です。
項目 | 金額 |
食費 | 3万8,410円 |
水道光熱費 | 1万1,358円 |
生活用品費 | 5,687円 |
交通費 | 2,950円 |
通信費 | 7,153円 |
被服費(衣類やバックなどの購入費) | 4,606円 |
保健・医療費 | 7,625円 |
その他 | 2万9,226円 |
合計 | 10万7015円 |
あくまで平均なので男性なら食費が多め、女性なら被服費が多めになるなど支出のバランスは人それぞれ異なります。また、仕事で必要なエプロンや絵本を保育士が自腹で払うケースは珍しくないので、そのぶんが支出に加わる可能性も…。
たとえば生活費が10万円だとして、手取りと家賃がそれぞれ異なる保育士AさんとBさんのお金の状況をみていきましょう。
【Aさん:保育士の手取りが18万円で家賃7万円の場合】
生活費10万円+家賃7万円=17万円
手取りが18万円ならば、手元に残るお金は1万円。
【Bさん:保育士の手取りが15万円で家賃が5万円の場合】
生活費10万円+家賃5万円=15万円
手取りが15万円ならば、手元に残るお金は0円。
この結果をみると貯金もできなければ、手元に残るお金もほとんどない状態で生活が苦しい印象。
しかし以下の方法を試せば、保育士が一人暮らしできる可能はぐっと広がります。
保育士が一人暮らしを実現させる方法4選
では、保育士が一人暮らしを実現させる方法を実際にみていきましょう。
- 初期費用を確保または貯金しておく
- 給料に見合った物件を探す
- 保育園の家賃補助を活用する
- 自治体の制度を活用する
順番に解説していきます。
方法①初期費用を確保または貯金しておく
そもそもですが、お金がなければ一人暮らしはできません。一人暮らしの初期費用の相場は家賃の4ヵ月〜6ヵ月分程度で、30万円〜60万円ほどかかると言われています。
初期費用の内訳
- 敷金・礼金
- 鍵交換代
- 日割り家賃※月途中からの入居の場合
- 火災保険料
さらに引っ越し業者の依頼や家具・家電の購入にお金がかかります。また初月は給料が支払われないため、1ヶ月分の生活費も必要です。
多額の初期費用が大きい壁になりますが、ここを乗り越えられたら一人暮らしの実現はすぐそこ!
勤務先が引っ越し代や敷金・礼金を負担してくれるケースもありますが、何もサポートがないことを見越して初期費用は余裕をもって準備しておきましょう。
方法②給料に見合った物件を探す
一般的に「家賃の目安は給料の3分の1」と言われており、一人暮らしをするなら自分の給料に見合った物件を探さなくてはいけません。
手取りが「18万」「15万」「13万」の場合、家賃の目安は以下のようになります。
手取りの3分の1で計算した家賃
- 18万円の場合・・6万円
- 15万円の場合・・5万円
- 13万円の場合・・4.3万円
これはあくまで目安なので、参考程度にしてください。
固定費や生活費の節約が上手にできれば家賃をもう少しあげられるかもしれませんし、逆に支出が多い人は家賃を下げる必要性が出でくるでしょう。自分の給料に基づき、固定費や生活費も加味したうえで自分が支払える範囲の物件を探すようにしてください。
方法③家賃補助がある保育園で働く
もし、就職や転職に合わせて一人暮らしをするなら家賃補助が手厚い保育園で働くべき!
家賃の一部または全額負担してもらえるサポートや制度もあり、保育士の金銭的負担を軽減してくれます。
家賃補助のタイプを3つはこちら↓
種類 | 負担者 | 特徴 |
家賃補助 | 保育園 | ・園独自の福利厚生の一つ。 ・家賃の一部を保育園が負担してくれる。(1万〜3万円が相場) ・呼び方は「住宅手当」「家賃手当」など各園で異なる。 |
寮・社宅 | 保育園 | ・保育園が保有しているマンションまたはアパートを安い賃料で借りられる。 ・共同スペースの清掃を担当制で入居者が行う場合がある。 |
借り上げ社宅制度 | 国(自治体) | ・「保育士宿舎借り上げ支援事業」に基づく補助制度。 ・保育園が賃貸物件を契約し、保育士に無料または少額の自己負担で住居を提供する仕組み。 |
この記事を書く私は東京の保育園に勤めていたときに「借り上げ社宅制度」を活用した経験があります!
最大8万2千円の家賃補助が出る自治体だったので、私は11万3千円のアパートを借りて差額の3万1000円を毎月自己負担で払っていました。(1Kのこじんまりとした部屋でしたが新築や駅近などの条件で、家賃はお高め…。私はストレスを感じやすく体調がすぐに崩れるため、体をしっかり休められるように少し良い物件を選びました。)
実際のアパートの写真(殺風景ですみません…。)↓
当時の手取りは18万くらいで家賃代3万1000円を引いたとしても手元には15万円ほど残ります。贅沢はできませんでしたが、生活に困ることはありませんでした。
家賃補助がなければ都内で保育士をするのは私には難しかったでしょう…。都内に3万円ちょっとで住めたのは手厚い家賃補助のおかげです。
なお、これらの家賃補助は保育士なら誰でも利用できるとは限りません。一例になりますが、支援の対象として「勤務先から3駅以内にある物件」や「同居者がいない単身者のみ」「ペットNG」など、各園・各自治体で条件をそれぞれ定めています。
家賃補助を活用するなら事前に利用条件を確認しておきましょう。
方法④転職エージェントを活用する
家賃補助のある保育園を探したいなら、保育士の転職エージェントを活用するのもありです!
【転職エージェントとは】
求人先と利用者(あなた)の間に、担当者が入って転職の支援をしてくれる会社。サービス内容は、面接の対策や日程調整、履歴書の添削、条件交渉など様々で、利用者の転職活動が完了するまでをフルサポート。
担当者は保育業界に精通したプロです。家賃補助に関する知識があるのはもちろんのこと、上京や異動をする保育士の転職を数多くサポートしてきた経験があるので、一人暮らしを始める不安にも親身になって寄り添ってくれるでしょう。
どの転職エージェントも登録・相談は無料。「家賃補助が手厚い保育園や自治体を知りたい」「気になっている〇〇保育園の家賃補助の内容が気になる」といった質問を担当者にすることも可能です。ぜひお気軽に相談してみてください。
おすすめの保育士転職サイト・エージェントはこちら↓
まとめ:保育士の一人暮らしは無理じゃない!
というわけで、保育士の一人暮らしは不可能ではありません。実際に、一人暮らしをしている保育士が私の周りにはたくさんいました。
自分の給料に見合った物件を探したり、国や保育園が実施している保育補助を活用したりすれば給料が少ない保育士でも部屋を借りて生活できます。
初めての一人暮らしは不安も大きいと思いますが、自分だけの空間・自分だけの時間ができるのはとても楽しいですよ!自然と自立心も育ち、将来に役立つ経験がたくさんできるでしょう。
今回の記事を参考にしながら、一人暮らしへの道へぜひ一歩踏み出してみてください。